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施工管理の年収はいくら?平均・年代別の実態と上げる3つの方法【公的統計】

施工管理の年収はいくら?平均・年代別の実態と上げる3つの方法【公的統計】

「施工管理の年収は本当のところどのくらいなのか」「自分の給与は年代の平均と比べて高いのか低いのか」。求人票やネットの情報は幅がありすぎて、判断材料にしづらいと感じていませんか。

この記事では、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」の公的データをもとに、施工管理を含む建設業の給与水準を年代別に丁寧に整理します。あわせて、業界の賃金水準を左右する「公共工事設計労務単価」の動向と、年収を上げるための具体的な方法までまとめました。求人票やネット記事の「平均年収◯◯万円」という数字だけでは分からない、年代・企業規模・資格による差まで踏み込んで解説します。

施工管理のキャリア全般の悩み(やめとけと言われる理由・資格・転職エージェントなど)は施工管理のキャリア完全ガイドにまとめています。

施工管理(建設業)の年代別給与の実態

以下で紹介する数値は、厚生労働省が毎年実施する「賃金構造基本統計調査」に基づく公的統計です。従業員10人以上の事業所を対象に、都道府県・産業・企業規模別に無作為抽出した約5万事業所への調査結果を集計したもので、求人サイトや転職サイトが独自に集計する年収データより、対象範囲が広く再現性の高いデータです。ただし、統計上の区分は「建設業」という産業全体であり、「施工管理」という職種だけを抜き出した数値ではない点には注意してください。施工管理者は建設業で働く技術者の中心的な職種であるため、業界全体の給与トレンドを把握する目安として活用できます。

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」から、建設業で働く人(男女計・正社員中心)の所定内給与額(月額、時間外手当や賞与を含まない基本給ベース)を年代別に見てみます。

年齢階級 所定内給与(月額) 年収換算(月額×12、賞与除く)
20~24歳 23.9万円 約287万円
25~29歳 27.3万円 約328万円
30~34歳 30.7万円 約368万円
35~39歳 34.0万円 約408万円
40~44歳 35.8万円 約429万円
45~49歳 39.9万円 約479万円
50~54歳 40.8万円 約489万円
55~59歳 43.7万円 約524万円
全年齢平均(男女計) 35.3万円 約423万円

この表はあくまで「所定内給与」、つまり残業代や賞与を含まない基本給ベースの数値です。 実際の年収は、これに残業代と賞与(多くの企業で年2〜4ヶ月分程度)が加わるため、表の「年収換算」より実際は数十万〜100万円以上高くなるのが一般的です。たとえば全年齢平均の所定内給与35.3万円に、仮に賞与4ヶ月分(141.2万円)を加えると、年収は560万円前後になります。

数字の推移から分かるのは、20代前半(287万円換算)から50代後半(524万円換算)まで、年齢とともに給与が右肩上がりに伸びている点です。特に40代後半(45〜49歳)で39.9万円と、40代前半(35.8万円)から大きく伸びており、主任技術者・監理技術者としてマネジメントの中核を担うようになる年代で待遇差がつきやすいことがうかがえます。

年代別に見ると、20代のうちは他業種の同年代とそれほど大きな差はありませんが、30代後半から40代にかけての伸び幅が比較的大きいのが建設業の特徴です。これは、施工管理という仕事が「現場経験の蓄積」と「資格取得」によって任される現場の規模が変わり、それに応じて手当や役職給が積み上がっていく構造になっているためだと考えられます。逆に言えば、20代のうちに年収だけを見て「思ったより低い」と判断するのは早計で、経験年数とともに伸びしろが大きい職種であるとも言えます。

全産業の中での建設業の給与水準

同調査では、産業別の所定内給与額(男女計)も公表されています。建設業は35.3万円で、「電気・ガス・熱供給・水道業」(43.8万円)や「金融業,保険業」(41.1万円)より低いものの、「宿泊業,飲食サービス業」(27.0万円)や「生活関連サービス業,娯楽業」(28.6万円)よりは高い水準にあります。突出して高いわけではありませんが、平均以下でもない、中位からやや上に位置する業界というのが実態です。

産業 所定内給与(月額)
電気・ガス・熱供給・水道業 43.8万円
金融業,保険業 41.1万円
情報通信業 40.8万円
建設業 35.3万円
製造業 31.8万円
卸売業,小売業 34.4万円
生活関連サービス業,娯楽業 28.6万円
宿泊業,飲食サービス業 27.0万円

この表からも分かる通り、建設業の給与水準は「特別高いわけでも低いわけでもない」というのが公的統計から見える実態です。ネット上では「施工管理は激務の割に給料が安い」という声も見かけますが、統計上は他の多くの産業より高い水準にあります。前の章で触れた「所定内給与には残業代・賞与を含まない」という点を踏まえると、長時間労働の実態(別記事施工管理はやめとけと言われる7つの理由で解説)がある分、残業代を含めた実収入はこの表以上に上振れしやすい業界でもあります。

もちろん、残業代が多いことが望ましいわけではありません。基本給の水準と、残業時間・休日出勤の頻度をあわせて確認し、「時間あたりの対価」として妥当かどうかを見る視点も大切です。求人票を比較する際は、月給・年収の額面だけでなく、みなし残業(固定残業代)が何時間分含まれているかも必ず確認してください。

賃金の底上げが続く背景|公共工事設計労務単価の14年連続上昇

施工管理者個人の給与とは別の指標ですが、業界全体の賃金水準を左右する重要なデータとして「公共工事設計労務単価」があります。国土交通省が毎年公表しているこの単価は、公共工事の予定価格を積算する際の基準となる、技能労働者の日額賃金の目安です。

国土交通省の発表によると、令和8年3月から適用される設計労務単価は、全国・全職種の単純平均で前年度比4.5%の引き上げとなり、14年連続の上昇となりました。加重平均は日額25,834円で、過去最高値を更新し続けています。

この上昇の背景には、2024年4月から建設業にも適用された時間外労働の上限規制(いわゆる2024年問題)があります。残業による工期調整がしづらくなったことで、追加の人員確保が必要になり、それが単価の上昇圧力になっているという構造です。設計労務単価は技能労働者(職人)向けの指標であり施工管理者の給与に直接連動するわけではありませんが、業界全体で賃金を上げないと人材が確保できない状況が続いていることを示す、信頼性の高い先行指標といえます。

過去数年の推移を見ると、令和6年度は前年度比5.9%上昇(加重平均23,600円)、令和7年度は前年度比6.0%上昇(加重平均24,852円)、令和8年度は前年度比4.5%上昇(加重平均25,834円)と、上昇率こそ緩やかになってきているものの、上昇傾向自体は一貫して続いています。技能労働者の賃金が底上げされる流れは、現場をマネジメントする施工管理者の待遇にも間接的に波及すると考えられます。人手不足が深刻な業界ほど、賃上げの動きが早く・大きく出る傾向があるためです。

年収を左右する4つの要因

年代以外に、施工管理の年収を左右する主な要因を整理します。

1. 企業規模・元請かどうか。 スーパーゼネコン・準大手ゼネコンは給与水準が高い一方、地場の工務店や下請け中心の企業は相対的に低くなる傾向があります。同じ調査では企業規模別の賃金格差も公表されており、大企業と中小企業の間には月額で数万円規模の差が見られます。同じ「建設業」でも企業規模によって幅が大きいのが実態です。

2. 資格の有無。 施工管理技士(1級・2級)の資格を持っていると、主任技術者・監理技術者として配置できるようになり、資格手当が支給される企業も多くあります。特に1級は大規模現場の監理技術者になれる条件のため、年収への影響が大きい資格です。

3. 職種(建築・土木・電気工事・管工事)。 同じ施工管理でも専門分野によって需給バランスが異なり、給与水準にも差が出ます。一般的に、電気工事施工管理や管工事施工管理は建築施工管理に比べて有資格者数が少なく、需給が逼迫しやすいため、経験者は好条件での転職がしやすい傾向があります。

4. 現場の役職(担当者/主任/所長)。 現場の責任者(所長クラス)になると、現場運営の裁量とともに手当も大きくなります。同じ勤続年数でも、複数の現場を経験して所長を任された人と、担当者にとどまっている人とでは、年収の伸び方に差が出やすい部分です。

これら4つの要因は互いに関連しています。たとえば資格を取得すると、より大きな企業・元請の求人に応募できるようになり、結果として役職への登用も早まる、という好循環が生まれやすくなります。逆に言えば、どれか1つの要因だけを見て「自分の年収は低い」「高い」と判断するのではなく、複数の要因を組み合わせて自分の立ち位置を確認することが大切です。

AIで自分の給与水準を客観視するプロンプト

「自分の年収が今の年齢・経験に見合っているか」を考えるとき、求人票の数字だけを見比べても判断材料としては不十分です。年齢・経験年数・資格・企業規模・職種といった複数の要素が絡み合っているため、単純な比較では見えてこない部分があります。AIに情報を整理させることで、感覚ではなく材料に基づいた判断がしやすくなります。

あなたはキャリアアドバイザーです。以下の情報をもとに、私の現在の年収が
施工管理という職種の中でどのような位置にあるか整理してください。

1. 現在の年齢、経験年数、保有資格(あれば)
2. 現在の年収(基本給・残業代・賞与を分けて)
3. 勤務先の規模(従業員数)と元請/下請の別
4. 主な業務内容(現場の規模・役職)

整理の際は、以下の観点でお願いします。
- 一般的な年代別水準と比べて高いか低いか、その要因として
  考えられること(資格・企業規模・職種など)
- 年収を上げる余地があるとすれば、資格取得と転職のどちらの
  影響が大きそうか
- 転職を検討する場合、注意すべき点

回答が出たら、続けて具体的なアクションに落とし込むプロンプトを送ります。

整理ありがとうございました。続けて、以下をお願いします。

1. 今の会社に残りながら年収を上げる方法があるとすれば、
   何を上司に相談すべきか
2. 転職によって年収を上げる場合、どんな条件の求人を
   優先的に探すべきか(企業規模・元請/下請・職種など)
3. 資格取得と転職、どちらを先に動くべきか、私の状況を踏まえて
   優先順位をつけてください

このプロンプトの回答はあくまで一般論に基づく整理であり、正確な市場価値の診断ではありません。転職を具体的に検討する段階では、転職エージェントとの面談で実際の求人相場と照らし合わせることをおすすめします。

年収を上げる3つの方法

最後に、実際に年収を上げるための現実的な方法を整理します。

1. 資格を取得して任される仕事の幅を広げる。 前述の通り、施工管理技士の資格は多くの企業で手当や昇格の条件になっています。特に1級は監理技術者として大規模現場を任される条件になるため、年収への影響が大きい資格です。

2. 企業規模の大きい会社、または元請の会社へ転職する。 同じ経験年数・資格でも、勤務先によって年収に差が出やすいのが建設業の特徴です。特化型の転職エージェントを使うと、企業規模別の年収相場を含めて情報を集めやすくなります。特化型エージェント・転職サイトの比較は施工管理におすすめの転職エージェント・転職サイト比較にまとめています。

3. 専門性の高い分野(電気工事・管工事など)にシフトする。 前述の通り職種によって需給バランスが異なるため、人手不足が特に深刻な分野へキャリアをシフトすることで、待遇改善につながるケースもあります。

これら3つの方法は、どれか1つだけを選ぶ必要はありません。たとえば「資格を取得してから、その資格を武器に企業規模の大きい会社へ転職する」というように、組み合わせることで年収アップの効果を高められます。実際、施工管理技士の資格保有者は未経験・無資格者に比べて転職市場での選択肢が広く、条件交渉もしやすい傾向があります。

一方で、年収だけを基準に転職先を選ぶと、労働時間や現場の環境とのバランスを欠いてしまうこともあります。前述の通り建設業は他産業より労働時間が長い傾向があるため、年収と働き方の両方を天秤にかけて判断することが大切です。求人票の年収表示は「想定年収」であることが多く、実際の内訳(基本給・固定残業代・賞与実績)を確認しないまま転職すると、期待していた金額と実態がずれることもあります。

年収の実態は年代・企業規模・資格の有無によって大きく変わります。この記事の数字を出発点に、自分の状況と照らし合わせて、次の一歩を考えてみてください。

参照ソース

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